紙からWebの編集になって1年。読者に優しい記事を作るコツを伝えたい

毎週水曜日はラーメンの日。今日の昼休みもラーメンを食べる予定のとんちんです。

Web編集に携わって1年あまり。編集長に斬ってもらったりWeb記事を読みあさったりして、少しずつ勘所がわかってきた今日この頃。記事をぐぐっと読みやすくするポイントを7つ、挙げてみたいと思います。

1. 見出しは段落内容の要約にする

 読者は欲張りです。自分の役に立つ情報がピンポイントで欲しいし、そのためなら平気で本文を読み飛ばします。ウェブ媒体ならなおさら。見出しを段落の要約にして読者の目を惹きつけましょう。

 たとえばWebメディア編集者になるには、という記事で編集者の仕事内容を紹介する段落があったとします。そのときは

×例:編集者の仕事について →○例:編集者の仕事は調整8割、執筆2割

のように、段落の要約を入れたほうが文章の内容が想像しやすくなります。

小見出しを入れてメリハリをつけよう

 段落内に小見出しをはさむと文章の構造が整えられてメリハリがつきます。

 メリハリがついて嬉しいのは人間目線だけじゃありません。SEOの観点から見ても、情報が正しく構造化されたページはクローラ評価が上がりやすいといえます。

クローラとは……Webサイトの画像や文章を拾ってデータベース化するプログラム。Googleなどの検索エンジンはクローラを用いてWebサイトを巡回し、検索順位を決める

2. 見出しや画像を適宜はさむ

 記事をつくるときは、PCで原稿を書いたり表示を確認したりすることが多いでしょう。しかし読者はPCから記事を読むとは限りません。スマホで読んだときでも画像もしくは見出しが出てくるように整えましょう。

View sp

画面が文字で埋め尽くされて非常に悪い例

 画像の文章は520文字。これに見出し(小見出し)か画像をひとつはさむとスッキリします。

View sp a

こんなかんじ

デベロッパーツールを使ってスマホビューを確認しよう

 スマホやタブレットでの表示を確認するにはWebブラウザのデベロッパーツールを使いましょう。メニューバーの表示>開発/管理>デベロッパーツールをクリックして起動。

Kotsu devtool

 表示サイズがPC→スマホ(などのデバイス)に変化し、実際のサイズでプレビューができます。2016年現在はiPhone6(357×667)を基準にすると良いでしょう。Chromeでの起動ショートカットはcmd+opt+Iです。

3. 具体的な数字や名称を入れる

 友人から「あなたに紹介したい人がいる」と、ある人Aさんについて話を聞くとします。友人の答えが

友人
Aさんはとにかくヤベーっす。ホントアレだし。まじやべー。

 これじゃどんなにステキな人だったとしても、魅力的に感じられませんよね。そう、具体的な名称や数字を入れないと、何が素晴らしいのかまったく伝わりません。読者が「どうヤベーのか」を具体的に想像できるようにする必要があります。

  • チャットサービスを導入してから、ECショップの売上げを1億→5億円にアップさせた
  • メディアが公開されてから3カ月で100万PV達成。人気連載「きょうのラーメン」は、今冬の書籍化が決定

 取材現場で聞き逃した場合は、インタビュイーへの原稿チェック時に確認してください。取材時は感覚で答えていることも少なくないからです。インタビュイーとの関係性構築や媒体の信用など、今後のライター活動のために入念に気を配るべきだと思っています。

4. 長いコメントには地の文をはさむ

Kotsu sensei

 インタビュイーのコメント(会話文)があるとその人らしさを出せます。とはいえ、あまりに長いと画面がコメントだけで埋め尽くされてしまいます。客観的な情報に変換できる箇所、あるいは話の内容が切り替わる箇所は、地の文に置き換えて小休止をはさみましょう。

×悪い例:長い会話文が続く

「大学時代はろくに授業にも出ず、アルバイトばかりしていました。20歳のうちに、どうしてもインドに行ってガンジス川を見なければならないと思っていた。バイト1カ月分の給料でチケット、バックパック、インドだから盗難防止チェーンも買った。日本を発つ3日前に『地球の歩き方』を買ったのですが、あれは良くなかった。だって読者投稿欄に”野良犬が襲ってきて、逃げる隙もなく噛まれた。狂犬病になった”とか”デリーに着いたその日に高額なツアーを買わされた”なんて文言が並んでる(笑)まあ、行くのですが」

◎よい例:地の文や改行がはさまれている

「大学時代はろくに授業も出ず、アルバイトばかりしていました。20歳のうちに、どうしてもインドに行ってガンジス川を見なければならないと思っていた」という薄井さん。バイト1カ月分の給料でチケット、バックパック、インドだからと盗難防止チェーンも買ったという。

「日本を発つ3日前に『地球の歩き方』を買ったのですが、あれは良くなかった。だって読者投稿欄に”野良犬が襲ってきて、逃げる隙もなく噛まれた。狂犬病になった”とか”デリーに着いたその日に高額なツアーを買わされた”なんて文言が並んでる(笑)まあ、行くのですが」

 思い出してみてください。子ども時代、校長先生のいつ終わるかわからないスピーチに耐えていた、暑い夏の日や卒業式のことを。……いますぐ逃げ出したくなりますね。会話のゴールが見えないから不安になる、そんな気持ちを味わいたい読者はいません。

5. 名称はカギカッコより太字を使う

 会話文以外で「」(カギカッコ)を使いすぎると発言なのか固有名詞なのかがはっきりせず読みづらい文になってしまいます。キーワードを強調するときには太字を入れましょう。Webサービス(や関連会社)などの場合はリンクを貼ることで地の文と区別できます。

×悪い例:カギカッコが多い

 ランドマークの「渋谷ヒカリエ」をはじめ、「大人向けの街」として再開発を続ける渋谷。「株式会社ZINE」もこの街にオフィスを構える。

◎よい例:太字、リンクを活用している

 ランドマークの渋谷ヒカリエをはじめ、大人向けの街として再開発を続ける渋谷。株式会社ZINEもこの街にオフィスを構える。

 記事全体のバランスなどもあるため多用は禁物です。

6. 記事タイトルには「一番言いたいこと」を入れよう

 Web記事の場合は記事タイトルを見て読者はクリック(スマホの場合はタップ)します。タイトルは命。タイトルがイケてない記事に良記事はないくらいの勢いでつけましょう。
 
 1.でお伝えしたように内容の要約にするのも良いと思います。文章内で何度か出てきているキーワードをひろってタイトルに入れると、記事全体の言いたいことが一目で分かります。

7. 記事掲載媒体の主旨をふまえる

 ときどき誰に何を伝えたいのか分からない記事に出くわします。

 記事はメディアに掲載されます。執筆の段階で「どうしてこの記事がこのメディアに載るのか?」「この記事のメディアにおける位置づけは?」を考えると、目的がはっきりとした記事になります。

  • 媒体のコンセプトは?
  • この記事を公開する目的は?
  • 記事の想定読者はどんな人で、求めている情報はなにか?

 ただの情報収集は誰でもできること。媒体らしさを出して差別化できないと、記事の価値は上がりません。記事の価値が上がらないということは誰が書いてもいい、つまり執筆者の価値も上がらないともいえるかもしれません。

おわりに

 いい記事は読みやすく、読みやすい記事はいい記事です。どんなに思いを込めても伝わらなければはじめから存在しないのと一緒だと思います。

 ……とエラそうに語ってしまいましたが私も修行中の身です。表現手法だって、もっとイケてる方法があるかもしれません。読みやすくておもしろい、良いコンテンツがたくさん読める世の中になるよう一緒に頑張っていきましょう!!